大阪府・大阪市によるカジノ事業者の正式公募に抗議する(声明)

2019年12月24日

大阪府・大阪市によるカジノ事業者の正式公募に抗議する(声明)

 

カジノに反対する大阪連絡会 

事務局長 有田洋明

 12月24日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致をめざす大阪府・市は、カジノの「募集要項」を発表し、民間事業者の公募・選定手続きを強行したことに抗議の意を表明します。さる11月21日、「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備実施方針(案)」の発表に続き、来年6月ごろに設置運営事業予定者を選定するもので断じて許されません。

そもそも、国の監督機関である「カジノ管理委員会」は未だに発足しておらず、しかも昨年7月の「カジノ実施法」が国会で強行採決された際にIR担当であった内閣府副大臣がカジノ参入をめざす中国企業から不正資金を受け取っていた疑惑で捜査されている最中であり、極めて非常識と言わざるを得ません。大阪府・市のカジノ誘致をめぐる一連の動きは、府民の不安や疑問に一切の説明責任を果たさず、異常な行動と無責任な行為の連続です。

とりわけ、11月に発表した「実施方針(案)」には、カジノ事業者との契約期間を35年間もの長期に設定するだけでなく、カジノに反対する府民の声によって自治体側から契約解除を申し出た場合は、自治体からの賠償金支払い義務を明記していることです。

これは、カジノ誘致が決定すれば事実上後戻りできないということであり、カジノ誘致に反対している圧倒的な大阪府民の声を踏みにじるものです。

さらに、BIE・博覧会国際事務局が大阪・関西万博開催中のカジノ開業を控えるよう政府に要請するとの報道がなされています。万博との連携・調整として「IR施設の開業時期を万博開催期間中に設定することは認めない」と記述されていますが、一方で「万博前のIR開業をめざす」、「万博前を含んだ幅のある期間で開業時期(全部開業、部分開業及び先行開業(一部施設の供用)を含む。)を設定して提案する」ことを事業者に求めており、従来の方針となんら変わるものではありません。あくまで、万博の入場者をカジノに誘導することにこだわり、「同時開業めざすことに変わりない」と発言する松井市長の姿勢は、カジノ事業者の利益を最優先する態度だと言わなければなりません。

この間、横浜市では「住民説明会」を開催して、市民の声と向き合っています。しかし、大阪府・大阪市は、IR推進に賛同する企業などを含めた「説明会」を開催していますが、地域住民を含めた府民を対象にした「住民説明会」を開催していません。府民に対する地方自治体としての説明責任を果たすため、開催地である大阪市内を中心に住民を対象とした「説明会」の開催を強く求めるものです。

カジノ誘致に反対する府民世論は多数です。その声を知事・市長に届けるため「カジノ誘致に反対する署名運動」を推進し、来年3月に提出する予定を申し添えます。

以上